職員の顔に笑顔が見られない、挨拶がきちんとできない、看護師を中心に離職者が多いなどという問題が医療機関に蔓延しているように思えます。
私たち青洲会グループは、地域の医療、福祉、介護の中核として地域の皆さまのお役に立つために、組織を活性化する新しいマネジメント手法として、「フィッシュ哲学」を導入しています。
「フィッシュ哲学」とは、アメリカ西海岸に実在するさびれた魚市場で、「遊ぶ」「楽しませる」「注意を向ける」「態度を選ぶ」という四つのマインドをもって仕事を行ったところ、問題の職場が、文字通り‘ピチピチ’と生きの良い職場に生まれ変わったのが始まりです。
アメリカでは、軍、IT企業からハンバーガーチェーンまで、幅広い職種のマネジメントに採用されています。
温もりを表現するため、スタッフは、白衣以外でもふさわしいウェアを自由に選べるようになり、表情が明るくなった。
患者さんからは、「威圧感がなくて話がしやすい」と好評で、声をかけてもらう回数も増えた。
そしてフィッシュマインドは事務職にも伝播し、ネクタイを着用しないスタッフや、色とりどりのポロシャツを着用する人も出てきた。
「ここは病院だから」と躊躇するのではなく、「できることからやっていこう」という前向きな姿勢からスタートし、フィッシュ哲学が職員全体に浸透してゆくにつれ、目に見えて院内に変化が生じてきました。
スタッフが落ち込んでいたり不快感を持っていれば、そうした雰囲気が患者さんにも伝わってしまうものです。
気持ちをうまく切り替えられ、ゆとりが持てるようになれば、患者さんや家族へ話しかける機会も増え、サービスの向上という効果がもたらされます。
他にもアイデアを出し合い、ちょっとした工夫から空気を和ませていける職場づくりを目指しています。
フィッシュ哲学に基づく取り組みは、思いやりあるサービスの向上やスタッフの離職率の改善など、少しずつ良い変化を生み出すことができました。
人が人を敬い、心を通わせるということ。それは、スタッフ同士であれ患者さんに対してであれまったく同じことです。
私たち青洲会グループは、これからも決して慢心することなくフィッシュマインドを持ち続け、福岡・長崎・熊本の各地域の皆さんの笑顔のため、走り続けます。